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Vol.11
ディスペンサーのトータルソリューションを提供する(株)サンエイテックがお送りする、エンジニア向けWebマガジンです。 『近未来の快適デジライフ』と題して、身近な製品の半歩先の世界をお届けします。 |
近未来① 本当の「早期治療」は家庭から始まる…「デジタルヘルスケア」
近未来② 「ヒーローの必殺技」だけではないんです…「レーザ光線」
「レーザ光線」と聞いて、まず何を連想しますか? 今現在、仕事のアイテムに「レーザ○○」が含まれている方は、その製品でしょうが、やはり「SFにおける超兵器(ポーズ付き)」という方が、イメージが湧きやすいのではないでしょうか。しかし、現実にはCDやDVDの読み取り機構など、ごく身近なところでも使われている「レーザ技術」…これについて、少々見てみましょう。
レーザを一言で言うと、「放射の誘導放出による光の増幅」という英語の頭文字を取ったもので、光を電気信号のように増幅して強くしたものです。更に、「光が混じりあっておらず、純粋な単一の色(波長・周波数)の光である」「直進性に優れ、ほとんど広がらずに進む」など優れた特色を備えています。そして、回折限界までレンズで集束することができ、高いエネルギ集中は金属も溶かす。これこそが「レーザ=必殺技」の元となったと言えるかもしれません。そして、単一性や収束性に優れるなどの点が、CDの読み取りに、高エネルギ密度が得られる点が、溶接や切断などの加工機に使用されています。また、レーザは発振触媒によって多様な波長や出力があり、幅広い分野で応用されています。
レーザの利点の一つに「ピンポイント」があります。これを最大限に活用しようとしているのが「医療」です。すなわちガン細胞の切除などの際に、患者さんの身体を傷つける範囲を、最小限にとどめることができることや、幅広い周波数に対応できる点から、骨や血管など、施術する部位の組成に応じたアジャストができるなどの点で効果が期待されています。このような「ミクロな世界」は、いわゆる「ナノテク」としての微細加工、分子間レベルでの切断などにも通じるものであり、研究開発の中心課題となっています。一方の、「直進性」や「混色がない」という点は、遥か宇宙空間という「マクロ空間」で、人工衛星との通信などの活用が研究されています。これは地上・衛星間の通信速度を向上させるだけでなく、衛星同士をリンクさせることも視野に入れた開発です。これにより、気象状況を同時多点的に観測できるようになり、より高度な天気予報や、災害状況などの情報もいち早く把握することができるようになるというものです。しかし、この方式には問題も多いのが現状で、例えば衛星との通信は、間に雲がないことが条件になります(雲は、すなわち水の塊ですから、 “光”であるレーザは拡散されてしまいます)。また、あまりに距離が離れていると減衰してしまうので、桁外れの出力で発振しなければならないが、その電力をどうやってまかなうのか、などです。そして、この点でも「効率化」が得意な日本の開発力に期待が集まっているのです。 他にも、車間計測や液晶など、幅広い分野での応用が進められている「レーザ技術」は、「電波・電子」や「応力・摩擦」と並ぶエネルギになりつつある。これもまた間違いない「近未来」ですね。