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Vol.12
ディスペンサーのトータルソリューションを提供する(株)サンエイテックがお送りする、エンジニア向けWebマガジンです。 『近未来の快適デジライフ』と題して、身近な製品の半歩先の世界をお届けします。 |
近未来① エネルギーをつくり・操る…それが人間の本質なのかも…「新エネルギー」
近未来② 「リサイクル」とは、真に「環(わ)」を描くこと…「リサイクル」
「リサイクル技術」の開発こそ、R&Dエンジニアリング分野の中心命題であることは言うまでもありません。最近ではアンモニア水溶液を用い、古くなった基板から銅を回収する技術を確立したり、FRPを分解する過程で、その一部をスチレン-フマル酸共重合体を抽出する技術などが開発されています。
「リサイクル」について、ある人は「石油資源を削減できるから正しいことだ」と言い、これに対し、またある人は「リサイクルを行うには、その工程で石油を大量に使うのだから、結局意味がない」と言います。例えば、この類の論議の例題として「ペットボトル」がありますが、昔のようなガラス瓶であれば、単に洗浄して繰り返し使えます(リユース)が、ペットボトルは強度の面でこれができません。そこで、破砕して「原材料」に再生することが多くなります(こちらはリサイクル)。この工程で、洗浄・殺菌や色の選別など、様々な「コスト」が発生するというのが、「無意味論」の根拠となっています。これは、どちらの意見が正しいのでしょう? 答えは「どちらも正しい」のであり、見る方向が違っているだけなのです。つまり、リサイクルを行うには、大規模なインフラが必要になり、その意味では大量の資源が必要なのは間違いありません。しかし、施設は一度建設すれば、「それ自体」に資源はかかりません。つまり「システムを作った後の運用」を如何に効率化できるか、それにより「有効か否か」が決まると言えるのではないでしょうか。
つまり、ペットボトルの問題なら、ペレットに加工し直すのではなく、そのまま燃焼材として利用できるよう、焼却施設の方を改良する—どちらにしても、古くなった施設は、ダイオキシンや燃焼効率の観点からも入れ替えが必要になるのですし—など、施設を「点」ではなく、大きな「流れ」「循環」として、考える。そして、そこから生み出されるものも「どうやって使い」「どの程度再利用するか」まで予め考えて「製品」とする。そうすれば、そこに新たな技術も生まれる…。これこそ、リサイクルの本質と言えるのではないでしょうか。