HOME > 近未来の快適デジライフ
Vol.15
| ディスペンサーのトータルソリューションを提供する(株)サンエイテックがお送りする、エンジニア向けWebマガジンです。 『近未来の快適デジライフ』と題して、身近な製品の半歩先の世界をお届けします。 |
近未来① 「非現実」が現実を向上させる「ヴァーチャルテスト」
近未来② 人気沸騰中のリモコン玩具…その裏には、意外に身近な技術が
自動車の強度設計や安全評価は、通常「実験場で車をバリアにぶつけ、中の人形がどの程度加速度を受けたか」で判定します。しかし、それが実際の事故ではどの程度有効なのか、今ひとつ疑問視する声がありました。
一方、設計解析の現場では、気流の速度や、摺動による変形、燃焼の熱に対して構造体が受ける応力を、かなりの精度で再現する事ができるようになっていました。これを応用・発展させたのが、この「ヴァーチャルテスト」です。
つまり、衝突によって、どのような加速Gが発生するのか、乗員がどのように揺さぶられるのか、それが速度や路面状況、更には乗員の体格・体重などの「付加要素」によってどのように変化するか、きめ細かい設定により検証できるようになりました。これを可能にしたのは、要素解析ソフトの高精度化と、それを動かすための並列計算型スパコンの導入などがあります。
つまり、コスト的にも時間的にも不可能だった実車を壊しての再現を、これらの仮想空間の充実によって「実現」し、現代の自動車の安全性を向上させたといえるのです。 「先輩、ビンゴゲームで何当たったんですか?」「なんだこれ? おもちゃのヘリコプターか」「あ、それ“室内用リモコンヘリ”ですよ! 今すごい人気で、どこいっても売り切れなんですよ」「そういえば、なんか最近リモコンものって、増えてるよな。なんでだ?」「そう言われれば、なんでなんでしょ?」

リモコン玩具の概念を破る最初の一歩は、2003年に発売された「CHORO MODE(チョロモード)」と言えるでしょう。言うまでもなく、かの『チョロQ』の一つで、「コントローラ」が携帯電話で、キーのプッシュトーンを信号として、方向や速度を操作できるというものでした。 更に、組込まれたキーワードを入力するとパターン走行ができる「メールモード」など、小さいながら充実した機能を搭載していました。現在は新しいブランドとして、制御アプリをダウンロードし、操作できるようにまで発展しています。 また、手軽に楽しめる「リモコン」は他にも、「室内専用飛行機」「室内専用ヘリコプター」と、多数リリースされています。これらは、従来電波のみだった「リモートコントロール」のソースに、トーン信号(音)や赤外線(光)が加わったということであり、これが発展すれば、雑音の多い環境での無線操作など、産業現場へのフィードバックも考えられるでしょう。 リモコン玩具 もう一つ「小型リモコン」が充実している理由に、携帯電話の技術が転用されています。 その代表選手が、「振動用小型モータ」を動力として用いること。 他にも、基板自体の小型化や、複雑形状部品の低コスト生産など、携帯電話の基本技術である「小さい要素を動かすワザ」が凝縮しています。つまり「小型リモコン玩具」とは、一種の最先端機器とも言える物であり、一つの技術の応用が、他の何かを充実させた好例と言えるのではないでしょうか。 これらの「小型リモコン機器」が更に発展すれば、「マイクロマシン」がいよいよ現実のもとなるでしょう。 その可能性は、すでに計画されている物でも、原子炉やエンジン内のメンテナンスから医療用途まで、多種多様な展開があります。 「色々な機器の特長を集約すると、新しい技術が生まれる」というのは、何よりも望まれる未来といえるのではないでしょうか。