2018年11月5日更新

スパイダー現象って何?

製造現場での「困った実例」を徹底解説。サンエイテックだから実現可能な、すぐに役立つ解決案をご提示します。
今回のテーマ 自動車部品や家電製品の基板等のコーティング作業では、無駄をいかに軽減するかが重要ですが、塗布によって、その塗布設定やダウンタイムに相当コストがかかってしまうことがあります。その問題の一つが塗布時に見られる材料の糸引きやスパイダ―現象ですが、その内容ついて詳しく理解しておくことが重要です。
先生、エンジニアの人が「すぱいだー現象で困ってる」って言ってたんだけど、なんのこと?
あ!バッターの手前でボールが消えるやつでしょ!
あっ。。
エイちゃん、それは「スライダー」じゃないかのー。。
「スパイダー現象」とは、⾼粘度のコーティング材などをスプレー状に塗布している 時に、液剤がきれいに正確に塗れずに、細かい絹のように拡散してクモの巣状に形成されてしまう現象のことなんじゃ。
クモの巣みたいだからスパイダーっていうんだね。
基板のような精密部品に、安定して薄膜に塗布する時に、スパイダー現象は超困るんだよねー
エアー駆動式のディスペンサーやバルブの構造から、起きやすい現象だと⾔われているけど、塗布条件を上⼿に調整したり、適正な機種選定をすることで相当改善されるんじゃ。
そうか!対処次第でスパイダー現象を起こさないことは可能なんだね!
ディスペンサーいろいろ 溶剤系で粘着性のある⾼分⼦材料を⾼濃度で使⽤する場合に、スプレーバルブ先端のノズルから出る塗布液が、予定した霧状にならずに、蜘蛛の⽷状に拡がることがあります。この現象が「スパイダー現象」と呼ばれています。 これは、塗布液の希釈シンナーの溶解⼒が不⾜していることや(より薄くする必要がある)、スプレー後の塗布液の溶剤が速く気化してしまうことが原因と考えられます。 また、被着材表⾯からの距離を可能な限り短くすることや、ノズルの径や⻑さなど、液剤 に合ったものを選定することも必要です。材料の状態(材料の鮮度やフィラー等)や使⽤部品(⼗分にクリーニングされているか等)も重要なポイントです。

ワンポイント お問い合わせ スパイダ―現象の発⽣は様々な要因の組み合わせでもあります。塗布材原液を薄め過ぎると、期待した膜厚が得られずに、複数塗りしてタクトがかかってしまうこともあります。 液剤との適合性はもちろん、適正な塗布条件、ディスペンサー、ノズルの組み合わせが解 決の鍵になります。
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