2020年10月30日更新

メディカル新時代に選ばれるディスペンサー

今・昔・未来☆テクノロジー万華鏡は、「近未来の快適デジライフ」や「エンジニアリングなよもやまばなし」の掲載から10年経った今、果たして本当の「未来」はどうだったのか、そして、これからどうなって行くのかを考えるコンテンツです。
今回のテーマ今年、世界中の人々の生活様式は大きく変わりました。医療の世界に注目すると、様々な病原体や微生物、抗体などを一早く発見するための検査キットが普及しました。また、自宅や野外で身に付けたままで、簡単に生活の質を管理する「ウェアラブル電子機器」が登場し、新しい習慣が広まりつつあります。その最先端のメディカル機器の製造現場では、技術の進歩にともない、さらに、「より高精度、高品質、高生産性」のニーズに対応できるディスペンサーが求められています。
「イムノクロマト」とはイミューン(免疫)とクロマトグラフィー(物質を分離分析する方法)を組み合わせた用語じゃ。検体を滴下して、短時間で疾病の有無を検出する抗原・抗体検査法のことなんじゃ。
イムノクロマト法は、検体を滴下して疾病の有無を見つける、簡単で便利な抗原・抗体検査法です。一般的には、滴下して10~15分程度で診断結果を目視で判定できます。目には見えない抗原に色を付けて抗体標識にして、それらをキャプチャー抗体と結合させます。
最近、その抗体検査試薬キットの製造で、検査紙に、水溶性試薬を極細にライン塗布する用途で、ジェットディスペンサーが採用されたんだぜ。非常に高価な試薬を無駄なく塗布できて、お客さんが「コストが大幅に削減できた」って評価してくれたのさ。

ウェアラブル電子機器は、その優れた快適性、柔軟性、通信性の特徴により、今や医療用、ヘルスケア用デバイスとして、歩行、睡眠、心拍数、摂食量などの活動や機能を監視するために使用されます。重要な情報がユーザーに即時にフィードバックされて、その行動を変更するのに役立っています。現在、医療用ウェアラブル電子機器は、主に患者が装着しているデバイスからダウンロードしたデータをもとに診断が行れています。近い将来には、IoTによって、患者と医師などが継続的に、あるいは緊急時には即時に繋がって、診断自体をサポートできるようになると言われています。
これらの技術の進歩にともない、その製造プロセスも進化しています。接着剤、シリコン、導電性材料またはグリスなどの使用液剤を高度に管理し、より高い繰り返し精度で完全に自動化することが求められています。
容積移送式で脈動のない流体吐出が可能なエコペンは、独自のエンドレスピストン原理により、低~高粘度の様々な材料を、フィラー含有量の有無にかかわらず、99%を超える高い再現性で塗布します。以下のようなウェアラブル電子機器のアプリケーションで、高度なプロセス管理を可能にします。
  • ハウジング内のバッテリー接着
  • 電力管理システムへの放熱ペーストの塗布
  • プロセッサーの保護やアンダーフィル材の塗布
  • RFモジュールを導電性材料で接着、接合
  • 表示アクチュエーターのシーリング
  • センサー部品の封止、充填、接着
  • MEMS部品の接着や充填

  • 今注目されているウェアラブル医療機器の一つに「クローズドループシステム(人工膵臓)」があります。「人口膵臓」は、血糖データからインスリン注入量を決定して血糖値を制御する完全に自動化されたシステムです。 エコペンは、インスリンポンプの、電気モーターのギアボックス部品に微小量のグリスを充填するアプリケーションで採用されています。 その利便性や柔軟性以上に、常に高度な「正確性」が求められる医療機器。その製造プロセスにおいては、より高精度で信頼性の高いディスペンサーが必要とされています。

    ワンポイント お問い合わせ医療は未知の世界へと進歩しています。人の健康や生命に関わる製品には、常に、絶対的な品質と安全性が求められています。絶対繰り返し精度>99%のエコペン。再生医学の分野で話題の「3Dプリンターによる人工心臓」のシリコーン積層プロセスでも採用されています。
    https://youtu.be/dvGsNAQ_yVA

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