2019年3月11日更新

高精度GPSが導き出す未来とは?

今・昔・未来☆テクノロジー万華鏡は、「近未来の快適デジライフ」や「エンジニアリングなよもやまばなし」の掲載から10年経った今、果たして本当の「未来」はどうだったのか、そして、これからどうなって行くのかを考えるコンテンツです。
今回のテーマ昨年11月にサービスを開始した準天頂衛星システム「みちびき」。日本及びアジア太平洋地域向けに提供され、センチ単位での精度があると話題になっています。この「みちびき」とはどのようなシステムなのでしょうか。そしてGPSが導き出す未来とはどんな世界でしょう。
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「みちびき」とは準天頂衛星システムのことじゃ。主に日本国内向けに、GPSを補う信号を発信しているのじゃ。
「みちびき」がGPSを補うことで、どんないいことがあるの?
 
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GPSは受信できる衛星の数が多いほど正確になるんじゃ。ビルの間でも「みちびき」からの信号が増えるから、より正確になると言われておる。

そもそもGPSってどうやって位置がわかるんだろ?

「スマホやカーナビでは、同じ時刻情報を持つ衛星と地上の受信機との間で、信号の送信から受信にかかった時間を計測すると衛星と受信機の距離が判る。これを複数の衛星との間で行うと位置が判るのである」
赤井君の言う通り。下のようなイメージじゃな。
新しいGPS。準天頂衛星システム「みちびき」 準天頂衛星システム「みちびき」には大きく3つの機能があります。
 1つめはアメリカのGPS信号を補完し、衛星数増加によって都市部を中心にスマホやカーナビの測位精度を向上させます。
 2つめは監視局データを元にした補強信号を測位信号と共に送信し、サブメータ級の精度の測位を可能にします。
 3つめは電子基準点データを元にした補強信号を測位信号と共に送信し、センチメータ級の精度の測位を可能にします。
 GPS補完の受信機の例では、カーナビ、タブレット、スポーツウォッチ、ハンディGPSなどがあり、サブメータ級では災害通報用受信機、センチメータ級では高精度測位用の受信機があります。今後、農耕機材や建設機材の自動化、精密測量への利用が期待されています。
 「みちびき」の他に、米国のGPSやロシアのGLONASS、EUのGalileo、中国のBeiDou、そしてこれらを補強する静止衛星システムを同時に使用する技術がマルチGNSSです。マルチGNSSにより、より高精度な測位を得ることが可能になっています。
 精度の向上によりGPSの利用シーンもますます広がり、例えば福井県では除雪車両にGPSを搭載し除雪状況の把握や除雪指示に役立てています。その他にも視覚障がい者のためのGPSレシーバーを内蔵した音声案内システムなど、これからますます多様な分野においてGPSの活躍が期待できそうです。
ワンポイント お問い合わせ スポーツの分野においてもGPSの活用は増えており、選手の走行距離や速度、加速度などのデータを計測し、分析やコンディション管理に利用され始めています。アスリートの背中にGNSSや計測デバイスを装着させて、データを収集するオーストラリアのC社の製品が有名です。このデバイスによって選手の負荷を測定しケガの予防に役立てています。今まさに、サッカー、バスケットボール、アイスホッケー、アメリカンフットボール、ラグビーや卓球などにも高精度GPSの活用は広がっています。
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