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自動車・自動車部品

EVバッテリーパック封止部への液状ガスケット高精度線塗布

課題背景

EV(電気自動車)のバッテリー構造において、カバーとトレイの合わせ面は防水・防塵・耐振動といった性能が求められる重要な接合部です。ここに液状ガスケットを塗布することで密閉性を確保しますが、以下のような課題が発生していました:

  • 塗布幅・厚みのばらつき
    手動または簡易装置による塗布では、常に均一なトラック幅・高さを維持することが難しく、シール性にムラが発生していた。
  • 糸引きや液だれによる不良発生
    粘度の高い液状シール材では、塗布後の糸引きが発生しやすく、固化前に接着ラインから液剤がはみ出してしまうケースもあった。
  • 修正・手直し工数の増加
    膜厚が薄すぎる箇所や線が途中で切れた箇所など、再塗布や補修が頻発し、生産性が低下していた。

導入効果

EVバッテリーパック封止工程において、vipro-PUMPシリーズ(大容量タイプ) を導入することで、以下のような効果が得られました:

  • ±1%の高精度定量塗布により均一な線幅・膜厚を実現
    回転容積式ディスペンサーにより、粘度や温度の影響を受けずに常に安定した流量制御が可能。手動や簡易装置では難しかった均一な塗布トラックの形成を実現し、シール部の信頼性が向上しました。
  • 糸引き・液だれを抑制し製品不良を削減
    吐出制御の応答性と液切れ性が高く、塗布の始点・終点処理が美しく仕上がることで、ガスケット端部の液だまりやはみ出しが解消。シール幅の乱れもなく、製品の歩留まりが大幅に改善しました。
  • 修正作業の削減と生産性の向上
    従来頻発していた再塗布や補修の手間がほぼ不要となり、作業者の負担が軽減。塗布工程の自動化と標準化が進み、ライン全体の生産性向上に貢献しました。
  • 高粘度・フィラー入り材料にも長時間安定塗布
    最大2,000,000mPa・sの超高粘度にも対応し、フィラー入り・研磨性の液剤でも安定した長時間連続吐出が可能。EV用バッテリーパックのような大型ワークでも、途切れのない密封性の高い塗布線を形成します。

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導入製品

vipro-PUMPシリーズディスペンサー(大容量タイプ)

vipro-PUMPは、高粘度・フィラー入りの液状ガスケット材にも対応可能な回転容積式ディスペンサーです。大容量対応モデルにより、EV用の大型パーツにも連続安定吐出が可能です。 • 容積移送式で±1%以内の吐出精度

  • フィラー入りや研磨性液剤にも対応可能
  • 最大2,000,000mPa・sの超高粘度にも対応
  • 連続性のある塗布線形成により、液状ガスケットの密封性を強化
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