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家電

複合機ローラーへの低粘度シリコンスプレー塗布による摩擦制御と紙詰まり防止

課題背景

複合機のローラーは、用紙搬送の安定性を左右する重要部品であり、表面の摩擦特性が常に一定であることが求められます。ローラーの摩擦が強すぎれば紙詰まり、弱すぎれば送りズレや空回りといった搬送不良が発生するため、適度な滑り性の維持が信頼性向上の鍵となります。

このため、現場ではローラー表面にシリコン系滑剤を定期的に塗布する運用が一般的ですが、以下のような課題がありました:

  • 飛散による機器汚れ
    低粘度滑剤をスプレー塗布する際、霧状の液剤が広範囲に飛散してしまい、内部のセンサーや電子部品に付着。これが原因で誤動作や汚れによる清掃作業が頻発するケースも見られました。
  • 塗布ムラと摩擦不均一
    従来の塗布方法(手拭きや簡易スプレー)では、塗布ムラや過不足が発生しやすく、ローラー全体で摩擦係数にばらつきが生じていました。結果として、紙送りの安定性が低下し、装置トラブルや保守回数の増加につながっていました。

導入効果

新たに導入したスプレーバルブSV91により、これらの課題は大幅に改善され、以下のような効果が得られました:

  • 飛散抑制と清掃工数の削減
    SV91はスプレー終了後にノズルエアで液剤の目詰まりを防止する構造を持ち、オーバースプレーや跳ね返りを抑える設計となっています。そのため、周辺部品への飛散がほとんど発生せず、センサーや内部構造の汚れが激減。メンテナンス頻度の低下とダウンタイム削減に大きく貢献しています。
  • 均一な塗布による摩擦制御の最適化
    SV91は微量の圧縮エアにより、低粘度滑剤を霧状に均一かつ精密にスプレー可能です。ノズルエアと流量調整を最適化することで、塗布ムラがなくなり、ローラー全体で安定した摩擦係数が維持されるようになりました。これにより、紙送りの安定性が向上し、紙詰まりや画像ズレのトラブルが大幅に低減されました。

導入製品

スプレーバルブ SV91

SV91は、微量圧縮エアを用いた高精度スプレーが可能な低粘度液剤対応バルブです。 霧化制御と飛散抑制機能を両立し、狭小部や可動部近傍への安全・均一塗布を実現します。

  • 高精度スプレー制御による塗布均一化:液剤流量・ノズルエアの個別調整により、滑剤を極めて均一に分散。塗布ムラを解消。
  • 飛散防止設計:オーバースプレー・跳ね返りを最小化し、部品への付着や清掃頻度を低減。
  • 非接触による部品保護:複雑形状のローラーにも均一塗布が可能で、安定した摩擦係数の維持に貢献。
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