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医療・バイオ・化粧品

高粘度UV接着剤を精密微量塗布し、漏れリスクのない安全接続を実現

課題背景

点滴袋は、患者へ液体薬剤を安全・正確に供給するための重要な医療デバイスです。 とくにセラミック製の接続部には、高信頼性の接着が求められますが、従来の接着プロセスには以下のような課題がありました:

  • 接着剤塗布のばらつきと液だれの発生
    従来使用していた塗布装置では、吐出精度が安定せず、塗布位置や液量にばらつきが発生していました。その結果、接続部で液だれや塗布ムラが生じ、接合部の密封性が不十分となり、液漏れや接着強度の低下が懸念されていました。
  • UV接着剤特有の硬化不良リスク
    光硬化型接着剤は、塗布厚さや塗布位置にムラがあると、UV照射が不十分になり、部分的な未硬化が発生して接合不良につながる恐れがありました。
  • 長期信頼性への影響
    塗布精度のばらつきや硬化不良は、初期検査では問題がなくても、長期使用下での剥離・クラック・液漏れといった不具合につながる可能性がありました。その結果、医療デバイスとして要求される耐久性・安全性にリスクを残していました。

導入効果

微小塗布用ニードルバルブ「SV51」の導入により、以下のような効果を実現しました:

  • UV接着剤を高精度に微量塗布
    正確な塗布量制御により、粘度の高いUV接着剤でも安定的な点塗布が可能に。液だれがなく、厚みと位置の均一な塗布が実現しました。
  • 硬化プロセスの安定化
    接着剤が正確に塗布されたことで、UV光の照射ムラが減少し、硬化不良のリスクが解消。安定した接着強度と密封性が得られました。
  • 製品信頼性・安全性の向上
    液漏れリスクが大幅に低減され、点滴薬剤の正確な供給が可能に。結果として、患者の治療効果と医療現場での信頼性が向上しました。

使用したUV接着剤の特性

UV(紫外線)硬化型接着剤は、以下のような特徴を持ち、医療デバイスのような高信頼用途に適しています:

  • 即時硬化性:UV照射により数秒~数十秒で硬化可能。タクト短縮に貢献
  • 単液型で管理が容易:混合不要で、安定した粘度で供給可能
  • 透明性と耐久性:接合部の視認性が高く、光学機器にも適用可能
  • 溶剤を含まない環境対応型:硬化後は残留溶剤がなく、生体安全性も確保しやすい

一方で、UV光の届かない部位では硬化不良が生じやすいため、塗布精度とUV照射条件の管理が不可欠です。今回のような微小・精密な点塗布との組み合わせにより、 UV接着剤の性能を最大限に発揮することが可能となります。

塗布動画

導入製品

微小塗布用ニードルバルブ SV51

精密吐出と液切れ性を両立した医療用途向けのニードルバルブ。UV接着剤などの高粘度液にも対応。

  • 精密な流量調整が可能
  • 優れた液切れ性で液だれゼロ
  • 液だれがなく確実なシャットオフ
  • 広範囲な粘度に対応(低粘度~ペースト)
  • メンテナンスフリー設計で長寿命
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