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最近「ハードディスク内蔵○○」という家電製品を良く見かけます。すなわち、「携帯音楽プレイヤー」を筆頭に、「ハードディスク内蔵ビデオカメラ」「ハードディスク搭載ケータイ電話」などなど。これらのハードディスクはサイズが「1.1インチ」や「0.8インチ」という極小のもので、ディスクのサイズも100円玉と同じ大きさにまで小型化されています。ハードディスクの構造は、いってみれば「箱に入ったレコードプレーヤ」で、回転するディスクの上に磁気ヘッドという「針」でデータを書き込んだり、読み取ったりしています。この構造自体は、パソコンに用いられている3.5インチサイズのものも、ハンディ機器用の1インチサイズのものも、基本構造としてはほぼ同じものが収まっているというのですから、技術の進歩、特に小型化・高密度化の進歩は、本当に目を見張るものがあります。 |
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例えば1インチサイズのハードディスクには、同心円状に約2万本のトラック(レコードの溝)が刻まれています。実は、ここにデータを書きこむというのは、スケールアップして考えると、約40?先の地面に置いた紙に、長い釣竿の先につけた筆で点を打つほどの精度が必要になるのです。更に、記録面に沿って磁界をかける従来の水平磁気記録方式では、1ビット記録に用いる磁区が狭くなり、周囲と打ち消しあって磁力を失ってしまい、90年代には「これ以上の高密度化は困難」といわれていました。しかし、「出来ない」ことを解決するのが技術者というもので、70年代後半から研究が行われ、04年に製品化されたのが、磁界の方向が記録面に対して垂直になっている垂直磁気記録方式でした。これは、密度を高めても個々の磁区を大きく取ることができ、その上、周囲の磁区同士が磁力を強めあう性質を持っているので、相互干渉がなく、正確な書き込みが出来るという優れものでした。これにより、ハードディスクの小型化は再び加速し、パソコンからPDAなどのハンディパソコン、更には家電製品にまで搭載範囲を広げていったのです。 |
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